📋 この記事でわかること
閉店や業態変更で不要になった厨房機器・店舗什器を、少しでも損なく手放したい事業者に向けた記事です。業務用の冷蔵庫・冷凍庫、製氷機、ガスレンジやフライヤーといった加熱調理機器、作業台やシンク、陳列棚・レジ・テーブルといった什器について、中古市場での買取相場の目安と、査定で見られるポイントを整理します。あわせて、設備を店舗ごと引き継ぐ居抜き譲渡と、設備を単体で売る方法のどちらが有利になりやすいか、賃貸借契約の原状回復義務との関係も取り上げます。さらに、器具備品や機械装置といった固定資産を売却・除却したときの売却損・除却損の扱いや、消費税・インボイスといった税務の要点にも触れました。相場や税務の取り扱いは執筆時点の一般的な目安ですので、個別の判断は顧問の税理士に確認しながら、複数の窓口を見比べて納得のいく形で設備を現金化してください。
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1. 店舗什器・厨房機器の中古市場|閉店・業態変更で動く設備
飲食店や小売店を閉店・移転・業態変更するとき、まとまって不要になるのが厨房機器と店舗什器です。これらの中古市場は、意外なほど需要が安定しています。新品の業務用機器は一台で数十万円することも珍しくなく、開業コストを抑えたい新規参入者や、設備を更新したい既存店にとって、状態の良い中古はありがたい選択肢だからです。手放したい人と、手頃に設備をそろえたい人のニーズがかみ合い、買取市場が回っています。
とりわけ業務用冷蔵庫・製氷機・ガス機器・ステンレス作業台などは規格化が進んでおり、汎用性が高いぶん中古でも引き合いが続きます。ホシザキ、フクシマガリレイ、大和冷機、パナソニック、マルゼン、タニコーといった信頼のあるメーカーの製品は、評価が落ちにくい傾向です。まずは手元の設備が、どのメーカーの・どんな型式・いつ頃の製造なのかを把握することが、納得できる取引への第一歩になります。
2. 売る前に確認したい3つのポイント
設備を手放すと決めたら、査定に出す前に三つの点を整理しておくと話がスムーズです。一つ目は「メーカーと型式」です。ホシザキ、フクシマガリレイ、大和冷機、パナソニック、マルゼン、タニコーなどメーカーを確認し、本体に貼られた銘板(型式・製造番号・製造年が記された金属やシールのプレート)を控えておきます。業務用機器は型式と製造年で評価の出発点が決まるため、ここを押さえると相場の見通しが立てやすくなります。
二つ目は「設備の種類と数量」です。冷蔵・冷凍、製氷、加熱調理、洗浄、そして什器と種類ごとに仕分けし、何がいくつあるのかを一覧にしておきましょう。三つ目は「状態と動作」で、通電するか、冷えるか・加熱できるか、ガス漏れや水漏れがないかを確かめます。これらを整理したうえで査定に出すと、業者とのやり取りで行き違いが起きにくくなり、見積もりの精度も上がります。
3. 業務用冷蔵庫・冷凍庫の買取相場の目安
業務用冷蔵庫・冷凍庫は、厨房の主力設備であり、中古買取でも中心になる品目です。調理台の下に収める台下(コールドテーブル)タイプ、扉が縦に並ぶ縦型(リーチイン)タイプ、商品を見せる冷蔵ショーケースなど種類はさまざまで、ホシザキ、フクシマガリレイ、大和冷機、パナソニックが定番メーカーです。買取相場は、種類・サイズ・製造年・状態の組み合わせで幅があります。
金額の目安は、小型で年式の古いものなら数千円から、状態の良い中型で数万円台、大型で比較的新しい機種では十数万円台に届くこともあります。ただし冷蔵設備は、製造から年数が経つとコンプレッサーの劣化や冷媒に関する規制の影響で評価が下がりやすく、一般に製造十年前後を境に相場が落ちていきます。新しい冷媒に対応した機種のほうが再販しやすく、有利に働く傾向がある点も覚えておくとよいでしょう。
4. 製氷機の買取相場と査定ポイント
製氷機は、飲食店で欠かせない設備であり、中古市場でも引き合いが強い品目です。とくにホシザキは業務用製氷機の代表格として評価が安定しています。氷の形状にはキューブアイス、チップアイス、フレークアイスなどがあり、一日にどれだけ氷を作れるかを示す製氷能力(日産何キロ)によって価格帯が分かれます。能力が高く、店舗規模に合う機種ほど需要が見込めます。
査定で見られるのは、製氷能力と製造年、そして正常に氷ができるかどうかの動作確認です。製氷機は水を扱う衛生機器のため、内部の水垢やカビ、給水・排水まわりの状態も評価に影響します。定期的な分解洗浄をしてきた個体は印象が良くなります。売る前に外側の汚れを軽く拭く程度の手入れは有効ですが、内部を無理に分解しようとすると、かえって状態を損なうおそれがあるため避けたほうが無難です。
5. ガスレンジ・フライヤー・オーブンなど加熱調理機器の相場
加熱調理機器には、ガスレンジやガステーブル、フライヤー、コンベクションオーブン、そして高機能なスチームコンベクションオーブン(スチコン)などがあります。マルゼン、タニコー、フジマック、ホシザキといったメーカーが中心で、なかでもスチコンは新品価格が高いぶん、状態の良い中古への需要が根強い設備です。フライヤーやオーブンも、汎用性が高いものは引き合いが続きます。
ガス機器で特に重要なのが、都市ガス用かプロパンガス(LPガス)用かの区別です。ガス種が違うとそのままでは使えず、査定や再販に直接影響するため、必ず控えておきましょう。査定では、五徳やバーナーの焼け具合、こびりついた油汚れ、点火や火力の状態、ガス漏れの有無などが見られます。長く使った機器は油汚れが評価を下げやすいので、無理のない範囲で清掃してから出すと印象が良くなります。
6. 作業台・シンク・食器洗浄機など厨房什器の評価
ステンレス製の作業台・シンク・戸棚・棚は、頑丈で長く使えるため中古需要が安定しています。多少のへこみや小傷があっても実用上は問題なく使えることが多く、値がつきやすい部類です。ただし一点あたりの単価は高くないため、複数まとめて出すほうが総額に組み込んでもらいやすくなります。業務用の食器洗浄機(アンダーカウンタータイプやドアタイプ)も、ホシザキなどの定番機は引き合いがあります。
食器洗浄機の査定では、正常に運転するか、水漏れがないか、お湯を沸かすブースター(給湯機能)が付いているかといった点が確かめられます。ステンレス什器は、油汚れや水垢を落として清潔にしておくだけで印象が変わります。造作に組み込まれた特注の什器は取り外しや再販がしにくく値がつきにくい一方、独立して動かせる汎用什器は評価されやすい、という違いも意識しておくとよいでしょう。
7. 店舗什器(陳列棚・レジ・テーブル・椅子)の買取相場
厨房機器以外にも、店舗にはさまざまな什器があります。飲食店ならテーブル・椅子・ソファ・カウンター、小売店なら陳列棚(ゴンドラ)やショーケース、そしてレジや券売機、業務用エアコン、看板などです。デザイン性のある家具ブランドのテーブルや椅子は、中古でも評価が伸びやすく、まとまった数の同一什器(椅子を何脚、棚を何本といった単位)はロットで動きやすい傾向があります。
一方で、店舗に合わせて造り付けた造作家具や特注品は、他店で使い回しにくいため値がつきにくいのが実情です。値のつかない什器は無理に売ろうとせず、買取と不用品回収を組み合わせて片づける判断も現実的です。売れるものと処分するものを早めに切り分けておくと、閉店までのスケジュールが立てやすくなります。まずは、何が売却の対象になりそうかを業者に相談してみるのがよいでしょう。
8. メーカー・年式・動作状態が査定を左右する
業務用設備の査定は、メーカー・製造年・動作状態という三本柱で決まります。ホシザキやフクシマガリレイのように、業界で広く使われ再販ルートが確立しているメーカーの製品は、中古でも評価が安定します。製造年は銘板で確認でき、新しいものほど有利です。冷蔵・加熱設備は消耗が進むため、一般に製造から十年前後を過ぎると評価が下がりやすくなる点も押さえておきましょう。
動作状態は、実際に使える道具として売買される業務用機器ならではの重要ポイントです。通電するか、冷却・加熱・製氷・排水が正常か、異音や水漏れ・ガス漏れがないかが確かめられます。気になる不具合は隠さず、そのまま伝えるのが安全です。棚板やホース、リモコン、取扱説明書といった付属品がそろっていると評価にプラスに働きます。油汚れや水垢を落とす清掃は有効ですが、内部を分解しての自己修理は避けたほうが無難です。
9. 居抜き譲渡と設備単体売却の比較 — どちらが有利か
閉店時に設備を手放す方法は、大きく二つに分かれます。一つは「居抜き譲渡」で、内装や厨房設備を残したまま、次に入るテナントや事業者へまとめて引き継ぐやり方です。もう一つは「設備単体売却」で、厨房機器や什器を買取業者に個別に売る方法です。どちらが向くかは、急ぎ具合や原状回復費用とのバランス、次の借り手が見つかりそうかによって変わります。
居抜き譲渡は、造作や設備を引き継ぐ対価として譲渡料を受け取れることがあり、内装の撤去や原状回復の費用を抑えられるのが大きな利点です。半面、引き継ぐ相手が見つかるまで時間がかかり、貸主(オーナー)の承諾も必要になります。設備単体売却は、買い手を待たずに早く現金化でき、不要な設備だけを選んで処分できる一方、内装が残るため別途、原状回復が必要になる場合があります。
| 比較の観点 | 居抜き譲渡 | 設備単体売却 |
|---|---|---|
| 現金化の早さ | 相手探しに時間がかかる | 比較的早く現金化できる |
| 原状回復費用 | 抑えられることが多い | 別途かかる場合がある |
| 必要な手続き | 貸主の承諾・譲渡契約 | 買取業者との売買 |
| 向いているケース | 次の借り手が見込める店 | 急いで設備だけ整理したい店 |
10. 買取方法の比較と業者の選び方
厨房機器や什器は大型で数も多くなりがちなので、査定士が現場に来て、搬出まで対応してくれる出張買取が基本になります。重い冷蔵庫やガス機器を自分で運び出す必要がなく、店舗でまとめて見てもらえるのが利点です。什器が少数で小型のものだけなら、店舗へ持ち込む方法もあります。どの方法でも、一社だけの金額を鵜呑みにせず、二社から三社で相見積もりを取ると、相場観がつかめて納得しやすくなります。
業者選びでまず確認したいのが、古物商の許可を受けているかどうかです。中古品の売買を営むには、都道府県公安委員会の許可を受けた古物商である必要があり、正規の業者は許可番号を公式サイトや店舗に表示しています。加えて、厨房機器の取り扱い実績があるか、査定の内訳を明確に説明してくれるか、搬出や運搬の費用がどちらの負担になるかも、契約前に確かめておきたい点です。厨房設備に慣れた業者ほど再販ルートを持ち、金額を提示しやすい傾向があります。
11. 原状回復義務と設備撤去|賃貸借契約で確認すること
賃貸の店舗を退去する際に、多くの場合で問題になるのが原状回復義務です。事業用の賃貸借契約では、借りたときの状態に戻して返す「スケルトン戻し」を求められることが多く、内装や設備の撤去費用がまとまってかかります。まずは契約書を確認し、原状回復の範囲がどこまでか、居抜きでの引き渡しが認められているかを把握することが出発点です。設備を売っても、内装の撤去が別に必要になる場合がある点に注意しましょう。
居抜きで次の借り手に引き継げれば、原状回復の負担を大きく抑えられます。ただし、居抜き譲渡には貸主や管理会社の承諾が欠かせず、譲渡のタイミングや鍵の引き渡し時期の調整も必要です。設備の売却・搬出、内装の撤去、明け渡しの期日は連動するため、退去日から逆算してスケジュールを組むことが大切です。判断に迷う点は、不動産の管理会社や専門家に早めに相談しながら進めると、余計な費用や手戻りを避けやすくなります。
12. 固定資産の除却損・売却損の税務処理
ここからは、設備を手放すときの税務の話に移ります。厨房機器や什器は、多くが器具備品や機械装置といった固定資産(減価償却資産)にあたります。これを売却したときは、売却額と帳簿価額の差額が、固定資産の売却損益として計上されます。ここでいう帳簿価額とは、取得価額から減価償却の累計額を差し引いた簿価のことで、購入時の金額そのものではありません。
中古設備の多くは、簿価を下回る金額でしか売れないため、結果として固定資産売却損が生じることが多くなります。この売却損は損金に算入され、課税所得を圧縮する効果があります。売れずに廃棄する場合は、帳簿価額を除却損として計上できますが、実際に廃棄した事実を示す資料(廃棄業者の証明書、廃棄前後の写真、数量の記録など)を残しておかないと、税務調査で否認されるおそれがあります。
なお、物理的には残しつつ今後まったく事業に使う見込みがない設備について、一定の要件のもとで除却損を認める「有姿除却」という取り扱いもありますが、適用の可否は個別性が高い論点です。少額の資産や一括償却資産として処理していた場合は扱いが変わることもあります。固定資産の売却・除却の税務は判断が細かいため、自己流で処理せず、監修者をはじめとする顧問の税理士に確認しながら進めることをおすすめします。
13. 消費税・インボイスと事業設備の売却
事業用の固定資産を売る取引は、国内での資産の譲渡にあたり、消費税の課税対象です。売り手である事業者は、買取業者から受け取った代金にかかる消費税を売上として処理し、申告・納付の対象に含める必要があります。日々の商品販売と同じように、設備の売却代金にも消費税が関わってくる、という点を見落とさないようにしましょう。
買い手である業者は、交付された適格請求書(インボイス)にもとづいて仕入税額控除を行います。売り手が免税事業者か課税事業者か、簡易課税を選んでいるかどうかによって、消費税の扱いや手取りへの影響は変わります。さらに、廃業に伴って設備を売る場合は、最終的な確定申告の時期や、事業廃止に関する届出との兼ね合いもあります。会計処理や申告の具体的な進め方は、自社の状況に合わせて税理士に確認しながら整えると安心です。
14. まとめ:相場と税務を押さえ計画的に設備を現金化する
閉店や業態変更で不要になる厨房機器・店舗什器は、規格化された汎用設備を中心に、中古でも安定した需要があるジャンルです。査定額を左右するのは、ホシザキやフクシマガリレイといったメーカー、製造年、そして通電・冷却・加熱・製氷といった動作状態の組み合わせです。業務用冷蔵庫や製氷機、スチコンなどの加熱機器、ステンレス什器は、状態が良ければ手堅い評価が期待できます。付属品をそろえ、無理な自己修理を避けて清掃しておくことが、手取りを守るうえで有効です。
手放し方は、設備を店舗ごと引き継ぐ居抜き譲渡と、買取業者へ売る設備単体売却の二つが柱で、現金化の早さと原状回復費用のどちらを優先するかで選び分けます。賃貸店舗では原状回復義務との兼ね合いを契約書で確かめ、退去日から逆算して段取りを組みましょう。税務面では、固定資産を簿価より安く売れば売却損、廃棄すれば除却損が損金に算入でき、消費税やインボイスの扱いも含めて税理士に確認しながら進めると安心です。相場も税務も執筆時点の一般的な目安ですので、複数の業者を見比べ、専門家の助言も得ながら、計画的に設備を資金へ換えていってください。
よくある質問(FAQ)
古い業務用冷蔵庫や製氷機でも買い取ってもらえますか?
製造から年数が経っていても、動作が正常なら買取の対象になることが多いです。とくにホシザキやフクシマガリレイ、大和冷機といった定番メーカーの製品は、中古でも再販しやすく需要が続いています。ただし冷蔵設備や製氷機は、製造十年前後を境に評価が下がりやすい傾向があります。冷えるか・氷ができるか、水漏れやガス漏れがないかといった状態を確かめ、型式と製造年を控えたうえで、まずは無料査定で今の価値を見てもらうとよいでしょう。
閉店するので厨房機器と什器をまとめて処分したいのですが、どんな方法がありますか?
大きく分けて、設備を店舗ごと次の借り手に引き継ぐ居抜き譲渡と、厨房機器や什器を買取業者に売る設備単体売却があります。大型で数が多い場合は、搬出まで対応してくれる出張買取が便利です。値のつかない造作家具などは、買取と不用品回収を組み合わせて片づける方法もあります。急いで現金化したいのか、原状回復費用を抑えたいのかによって最適な組み合わせが変わるため、まずは複数の業者に相談し、売れるものと処分するものを切り分けるとよいでしょう。
居抜き譲渡と設備を売るのとでは、どちらが得ですか?
一概にどちらが得とは言えず、状況によります。居抜き譲渡は、造作や設備を引き継ぐ譲渡料が入ることがあり、内装の撤去や原状回復の費用を抑えられるのが利点ですが、相手が見つかるまで時間がかかり、貸主の承諾も必要です。設備単体売却は、買い手を待たずに早く現金化できる半面、内装が残って原状回復が別途必要になる場合があります。次の借り手が見込めるなら居抜き、急いで設備だけ整理したいなら単体売却が向きやすい、と考えるとよいでしょう。
ガス機器を売るとき、都市ガスとプロパンの違いは関係ありますか?
大いに関係します。ガスレンジやフライヤーなどのガス機器は、都市ガス用とプロパンガス(LPガス)用でつくりが異なり、ガス種が違うとそのままでは使えません。そのため、査定でも再販でもガス種は重要な情報になります。銘板や本体表示でどちらのガス用かを必ず確認し、業者に伝えましょう。あわせて、点火や火力が正常か、五徳やバーナーの焼け、油汚れ、ガス漏れの有無も見られます。無理のない範囲で清掃してから出すと印象が良くなります。
設備を売ったお金には税金がかかりますか?
厨房機器や什器は器具備品や機械装置といった固定資産にあたり、売却したときは売却額と帳簿価額(簿価)の差額が固定資産の売却損益として計上されます。中古設備の多くは簿価を下回る金額で売れるため、固定資産売却損となり、損金に算入されて課税所得を圧縮することが多いです。また、事業用資産の売却は消費税の課税対象でもあります。免税事業者か課税事業者かなどで扱いが変わるため、具体的な処理は顧問の税理士に確認しながら進めると安心です。
使わない設備を廃棄した場合、経費にできますか?
売れずに廃棄する固定資産は、帳簿価額を除却損として損金に計上できます。ただし、実際に廃棄した事実を示す資料が欠かせません。廃棄業者の証明書や、廃棄前後の写真、処分した数量の記録などを残しておかないと、税務調査で否認されるおそれがあります。物理的に残しつつ今後使う見込みがない設備について除却損を認める「有姿除却」という取り扱いもありますが、要件の判断は細かいため、自己判断せず税理士に相談して確かめることをおすすめします。
原状回復との関係で、設備の撤去はいつ手配すればいいですか?
まずは賃貸借契約書で、原状回復の範囲(スケルトン戻しか居抜き可か)と明け渡しの期日を確認しましょう。設備の売却・搬出、内装の撤去、鍵の引き渡しは連動するため、退去日から逆算してスケジュールを組むのが基本です。居抜きで引き継げれば原状回復の負担を抑えられますが、貸主や管理会社の承諾が必要で、相手探しにも時間がかかります。日程がタイトになりやすいので、閉店を決めた段階で早めに管理会社や業者へ相談し、段取りを詰めておくと安心です。
業者にその場で即決するよう求められました。どう対応すべきですか?
決断を急がせる相手には慎重に対応しましょう。「今日だけの金額」「今すぐまとめて引き取る」と即決を迫る業者には、いったん持ち帰って複数社の見積もりを比べる姿勢が有効です。事業者どうしの取引では消費者向けのクーリングオフが使えないことも多く、いったん引き渡すと取り戻しにくくなります。古物商許可の有無や査定の内訳、搬出費用の負担、入金までの日数を書面で確認し、納得してから引き渡してください。迷うときは、共同経営者や顧問の専門家に相談してから判断すると安心です。
✏️ 神山 哲也より
店舗設備は所有物とリース品を分け、品番、状態、搬出期限を一覧にしてください。取り外しや運搬の費用を含めて見積もりを比べ、会計処理は税理士に確認しましょう。
監修:税理士 増田 良之
