📋 この用語の要点
簿価は会計帳簿上の資産価格で、取得価額から減価償却累計額を差し引いた帳簿残高。法人税法上の譲渡損益計算・事業承継・相続評価で必須の概念。時価との差で含み益・含み損が発生する。
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簿価とは
簿価(ぼか)とは、会計帳簿上で記録されている資産の価格のこと。取得価額から減価償却累計額を差し引いた帳簿残高であり、「貸借対照表(B/S)」上で表示される。法人税法・所得税法・会社法の各場面で出てくる重要概念で、特に資産の売却・除却・法人成り・事業承継・相続評価で「簿価 vs 時価」の比較が論点になる。
簿価と時価の違い
簿価:帳簿に記録された価額。減価償却を経て年々下がる。
時価:現時点で売却可能な市場価格。需給で変動する。
多くの資産で簿価<時価の関係(含み益あり)または簿価>時価(含み損あり)が発生する。例えば、10年前に1000万円で購入した不動産が、減価償却で簿価500万円になったが時価は1500万円になっていれば、含み益は1000万円。売却すれば譲渡所得が発生する。
減価償却の仕組み
事業用資産(建物・機械・車両・ソフトウェア等)は、購入時に一括費用化せず、耐用年数にわたって徐々に費用化する。これが減価償却で、毎年「減価償却費」として費用計上され、簿価が毎年低下する。
例:300万円のトラック(耐用年数5年・定額法)
1年目末の簿価=300万円-(300万円÷5年)=240万円
2年目末の簿価=240万円-60万円=180万円
5年目末の簿価=0円(または残存価額として1円計上)
簿価が登場する代表的な場面
- 固定資産の売却・除却:売却額-簿価=譲渡損益。法人税の課税対象。
- 法人成り(個人事業の法人化):個人事業の資産を法人へ移す際、時価より大幅に低い対価で売ればみなし譲渡課税の対象に。
- 事業承継・M&A:株式譲渡で「簿価ベース」と「時価ベース」の差が交渉ポイント。
- 相続税評価:相続財産の評価基準で簿価と時価の使い分け。
- 金融機関融資審査:B/Sの簿価が信用判断材料。
事業者向け:在庫処分・買取時の留意点
個人事業主・法人が在庫商品を$買取業者$に売却した場合、(1)売上原価(簿価)と売却額の差額が「商品売却損益」、(2)消費税の課税仕入・課税売上の処理、(3)棚卸資産の評価減損が必要なら年度末に評価減処理。
ファクタリングで売掛債権を譲渡する場合は、債権簿価と譲渡対価の差が「債権譲渡損」として費用処理される。
含み益・含み損の活用
含み益のある資産(土地・株式・骨董品)を売却すると譲渡所得が発生。逆に含み損のある資産を売却すれば「譲渡損」となり、他の利益と損益通算できるケースがある(個人事業主・法人で取扱いが異なる)。年度末の節税対策で「含み損資産の売却」が検討されることがあるが、形だけの売買は税務調査で否認されるリスクがあるため、税理士に事前相談を。
個人レベルでも簿価は意識すべきか
一般個人の生活用動産(家具・衣類等)は税法上「簿価」概念がほぼ問題にならない。ただし、不動産・株式・骨董品など譲渡所得対象の資産では「取得価額(簿価相当)」が課税計算の根拠になる。長年所有していた骨董品・不動産を売却する際は、購入時の領収書・契約書を探し出すことが節税の第一歩だ。
よくある質問(FAQ)
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本記事は税理士 増田 良之が監修しています。
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✏️ 編集部より
簿価と売却見積額は分けて確認してください。固定資産台帳、取得資料、売却明細をそろえ、損益や税務処理を税理士に確認しましょう。
税理士 増田 良之
監修:税理士 増田 良之
