損益通算

📋 この用語の要点

損益通算とは、所得税法上、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の損失を、他の所得(給与所得・事業所得など)から差し引いて税負担を軽減できる制度。買取・現金化の場面では、不動産売却損や有価証券譲渡損を他の所得と相殺することで、所得税・住民税の節税効果が得られる。ただし株式譲渡損・FX損益などは特定の所得分野でのみ通算可能で、譲渡所得の損益通算には条件があるため税理士相談が推奨される。

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目次

損益通算とは

損益通算(そんえきつうさん)とは、所得税法第69条に基づき、ある所得区分で生じた損失を、他の所得から差し引いて税負担を軽減できる制度です。複数の所得を持つ納税者にとっては、特定分野で損失が出た場合に、他の利益から相殺することで全体の所得税・住民税を抑えられる重要な節税手段となります。

損益通算が可能な所得区分は限定されており、すべての所得で自由に相殺できるわけではありません。基本的には「不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得」の4区分で生じた損失が、他の所得(給与所得・事業所得・配当所得など)と通算可能です。

損益通算が可能な所得

不動産所得の損失

賃貸経営の経費が家賃収入を上回って赤字になった場合、給与所得・事業所得と通算可能。ただし、土地の取得に係る借入金利息部分は損益通算の対象外です。

事業所得の損失

個人事業主の事業赤字は、給与所得・不動産所得・譲渡所得などと通算可能。青色申告なら3年間の損失繰越も可能(純損失の繰越控除)。

山林所得の損失

山林の譲渡損失は、他の所得と通算可能。

譲渡所得の損失

不動産・株式以外の資産(貴金属・骨董・絵画・自動車など)の譲渡損失は、他の譲渡所得・他の所得と通算可能。マイホーム以外の不動産譲渡損は、他の譲渡所得と通算可能だが、他の所得との通算は2003年改正で制限されています。

損益通算が不可能な所得

  • 給与所得:給与収入から経費を引いた結果がマイナスになることは通常ない
  • 退職所得:退職金は別途課税で通算対象外
  • 配当所得・利子所得:基本的に通算不可
  • 一時所得・雑所得:マイナスでも通算不可
  • 株式譲渡損:給与所得との通算は不可。ただし上場株式譲渡損は他の上場株式譲渡益・配当所得と通算可能
  • 仮想通貨譲渡損:雑所得扱いで、給与所得との通算不可
  • 生活用動産の譲渡損:そもそも非課税なので通算対象外

買取・現金化シナリオでの損益通算

不動産売却で損失が出た場合

マイホーム以外の投資用不動産売却で損失が出た場合、他の譲渡所得と通算可能。マイホームの場合は「居住用財産買換等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」の特例で、給与所得との通算・3年間繰越も可能(要件あり)。

1点30万円超の貴金属・骨董の譲渡損

1点30万円超の貴金属・宝石・絵画・骨董の譲渡で損失が出た場合、他の譲渡所得と通算可能。例えばダイヤモンドリングを購入時100万円、売却時60万円なら40万円の譲渡損として、同年中の他の譲渡益と相殺できます。

事業用資産の譲渡損

個人事業主が業務用機械・車両を売却して損失が出た場合、事業所得として処理し、他の所得との通算が可能。

譲渡損益の計算例

具体例:

  • 譲渡所得益:マンション売却益500万円(マイホーム以外)
  • 譲渡所得損:ダイヤモンドリング売却損40万円
  • 事業所得:個人事業主の事業所得300万円
  • 給与所得:500万円

譲渡所得内で500万円 − 40万円 = 460万円。長期譲渡所得(不動産)として20.315%課税。事業所得300万円 + 給与所得500万円 = 800万円が総合課税の対象となります。

損益通算の手続き

損益通算は確定申告で行います:

  1. 各所得区分の収入・経費を整理
  2. 確定申告書B(譲渡所得用付表含む)で各所得を計算
  3. 損失が出た所得を、通算可能な他の所得から差し引く
  4. 残った所得を総合課税または分離課税で計算
  5. 確定申告書を期限内(翌年3月15日)に提出

よくある質問(FAQ)

上場株式で1,000万円の損失が出ました。給与所得と通算できますか?

不可。上場株式の譲渡損は、他の上場株式譲渡益・上場株式配当所得とのみ通算可能。給与所得との通算はできません。ただし、申告分離課税内で3年間の繰越控除は可能です。

1点50万円のダイヤモンドリングを30万円で売却した損失は通算できますか?

1点30万円超の貴金属・宝石・骨董の譲渡損は他の譲渡所得と通算可能。確定申告での申告が必要です。

マイホーム以外の投資用マンションで損が出ました

マイホーム以外の不動産譲渡損は、他の不動産譲渡益とのみ通算可能(2003年改正で給与所得との通算は不可)。

仮想通貨の損失は他の所得と通算できますか?

仮想通貨は雑所得扱いのため、給与所得・事業所得との通算は不可。他の雑所得との通算は可能。

損益通算で還付申告ができますか?

はい。確定申告で損益通算を行い、源泉徴収済みの所得税が払いすぎになっていれば還付されます。

✏️ 編集部より

損益通算は、複数の所得を持つ納税者にとって重要な節税手段です。買取・現金化の場面では、1点30万円超の貴金属・骨董・絵画・投資用不動産の譲渡損が他の譲渡所得と通算可能。譲渡所得の確定申告は専門性が高いため、必ず税理士に相談しましょう。私たち編集部は税理士監修のもと、皆さまの正しい税務処理をサポートし続けます。

監修:税理士 増田 良之

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この記事を書いた人

取材ライター / 20代男性のフリーライター。出張買取現場の同行取材・店舗潜入レポート・楽器/カメラ/ホビーの査定立ち会いを得意とする。「実際に売ってみてどうだったか」の一次情報を積み重ねるスタンス。担当カテゴリ:楽器・オーディオ・レコード/カメラ・ホビー/家電・PC・スマホ・家具・工具/電子ギフト券・チケット/金・地金関連の取材記事/ファクタリング取材。

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