棚卸資産

← 用語集トップへ戻る

📋 この用語の要点

棚卸資産は事業者が販売目的で保有する商品・製品・原材料・仕掛品。期末評価で簿価vs時価の差を判定し、評価減処理・売却処分・廃棄処分のいずれかを選ぶ。事業者の経営判断と税務処理の両方で重要な概念。

📖 約3〜4分で読めます。

目次

棚卸資産とは

棚卸資産(たなおろししさん)とは、事業者が販売目的で保有する商品・製品・原材料・仕掛品・貯蔵品の総称。会計上は「貸借対照表」の流動資産に計上され、決算時点で実地棚卸(実際の在庫数を数える作業)を行って金額が確定する。簿価と時価の差で「評価損」「評価益」が発生し、損益計算書に影響する。

棚卸資産の主要分類

  • 商品:仕入れた状態で販売する物(小売業・卸売業)
  • 製品:自社で製造して販売する物(メーカー)
  • 原材料:製造プロセスで使用する素材
  • 仕掛品:製造途中の半完成品
  • 貯蔵品:消耗品・包装資材・燃料等

棚卸資産の評価方法

税法上認められる評価方法は次のとおり:
1. 原価法:取得時の単価を基準(個別法・先入先出法・移動平均法・総平均法等)
2. 低価法:原価と時価のうち、いずれか低い方を採用
3. 売価還元法:販売価格から逆算(百貨店・小売チェーンで多い)
低価法を採用すると、相場下落時に評価損を計上して節税効果が出る。

棚卸資産の処分方針

  1. 正常販売:通常の商業ルートで売却(簿価=時価の場合)
  2. 値下げ販売:市場価格下落時の在庫処分(評価減を計上)
  3. 業者買取買取相場業者にまとめて売却(在庫整理・閉店処分)
  4. 廃棄処分:販売不可・腐敗品・流行遅れの処分(廃棄損として全額損金算入)
  5. 寄付・引取り:自治体・NPO等への寄付(寄付金控除の余地)

事業者向け:在庫を業者買取に出すケース

閉店・事業縮小・モデルチェンジで大量の在庫が発生した場合、買取相場業者にまとめて売却する選択肢がある。
家電・PC・スマホ:1g単位の重量買取または機種別の動作確認買取
アパレル:シーズン落ち品をブランド古着業者が一括引取り
食品:販売期限切れは廃棄、未開封の長期保存可品は寄付ルート
骨董品・美術品:鑑定士付きの専門査定業者で個別査定
「箱買い」「トラック1台買い」の業者もあり、棚卸資産を一気に現金化できる。

税務上の処理

棚卸資産を業者買取に出した場合:
仕訳例(簿価100万円の在庫を60万円で売却)
(借)現金預金 60万/(借)棚卸資産売却損 40万/(貸)棚卸資産 100万
売却損は損金算入可能で、法人税・所得税の節税効果がある。
みなし譲渡との関係:低額で個人や関連法人に譲渡すると、時価との差額が役員賞与・寄付金として課税対象になることがあるため、第三者業者への売却が無難。

廃棄処分時の留意点

商品を廃棄する場合、廃棄損として全額損金算入できるが、税務調査で「本当に廃棄したか」を確認されることがある。
必要な証憑:
(1)廃棄処分業者の処分証明書(マニフェスト)
(2)廃棄前後の写真
(3)社内の廃棄稟議書
(4)棚卸表の差異記録
これらが揃っていないと、廃棄損が否認され課税対象になるリスクがある。

事業承継・廃業時の棚卸資産処理

事業承継で法人を譲渡する場合、棚卸資産も時価評価で取引する。簿価より時価が高ければ「含み益」となり、譲渡対価に上乗せされる。廃業時は在庫の処分が大きな課題で、専門の出張買取業者を活用するのが現実解。1ヶ月以上前から相談を始めると、まとめ買いの交渉余地が広がる。

よくある質問(FAQ)

棚卸資産は誰が監修していますか?

本記事は税理士 増田 良之が監修しています。

棚卸資産に関する相談はどこにすればいいですか?

当サイトの編集部までお問い合わせフォームからご相談ください。

用語集の他の項目はどこから見られますか?

用語集トップページから50音順で全用語をご覧いただけます。

この用語は他のページでも使われていますか?

関連する記事や用語ページから本ページへリンクされています。

棚卸資産に関連する用語は?

本文中のリンクから関連用語に進めます。

✏️ 編集部より

在庫は品目、数量、状態を確認し、帳簿と現物の差を整理してください。売却・廃棄の記録を残し、評価や損益の処理を税理士に相談しましょう。

税理士 増田 良之

監修:税理士 増田 良之

← 用語集トップへ戻る

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

取材ライター / 20代男性のフリーライター。出張買取現場の同行取材・店舗潜入レポート・楽器/カメラ/ホビーの査定立ち会いを得意とする。「実際に売ってみてどうだったか」の一次情報を積み重ねるスタンス。担当カテゴリ:楽器・オーディオ・レコード/カメラ・ホビー/家電・PC・スマホ・家具・工具/電子ギフト券・チケット/金・地金関連の取材記事/ファクタリング取材。

目次