📋 この用語の要点
時価評価は資産の現在の市場価値で評価する会計処理。簿価との差で含み益・含み損が発生。法人税法・相続税法・会社法上の評価ルールがあり、株式・不動産・在庫・骨董品など対象別に異なる。
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時価評価とは
時価評価(じかひょうか)とは、資産・債権を現在の市場価値(時価)で評価する会計処理のこと。簿価(取得時の価格を減価償却後で計上)と対比される概念で、含み益(時価>簿価)・含み損(時価<簿価)の判定に使われる。法人税法・所得税法・会社法・相続税法のそれぞれで「時価」の定義が微妙に異なるため、対象・目的・適用ルールを正確に把握する必要がある。
時価評価が必要になる場面
- 法人税の棚卸資産評価(低価法採用時)
- 金融商品(株式・債券)の期末評価
- 外貨建資産・債権の換算評価
- みなし譲渡課税の計算基準
- 相続税務申告での資産評価
- M&A・事業承継時の株式・事業価値評価
- 圧縮記帳・買換特例の適用
- 固定資産の評価減・減損処理
時価の算定方法
1. 市場価格基準法:上場株式・公社債・市場性のある資産
例:上場株式は期末日の終値で評価
2. 類似取引比較法:類似資産の取引価格を参考
例:不動産は近隣の取引事例・路線価
3. DCF法(割引キャッシュフロー法):将来収益の現在価値
例:事業承継・M&A時の株式評価
4. 鑑定評価:鑑定士による評価書
例:骨董品・美術品・特殊不動産
5. 原価基準法:取得時の費用ベース(時価評価には適さない)
主要資産の時価評価ルール
上場株式
・法人税:期末日の終値(時価評価義務あり、変動損益計上)
・相続税:相続時の終値・直近3ヶ月の平均値の安い方
非上場株式
・原則:類似業種比準価額・純資産価額・配当還元価額の使い分け
・事業承継:認定経営革新等支援機関の評価
不動産
・法人税:時価=公示地価・基準地価・路線価×補正
・相続税:路線価方式・倍率方式
・売却時:実際の取引価格
棚卸資産
・原価法:取得原価ベース
・低価法:原価と時価のうち低い方(評価損計上可)
骨董・美術品
・鑑定書ベース:鑑定士付きの評価
・類似取引:オークション価格・専門業者査定
時価評価の会計処理
株式・有価証券(時価評価対象)の期末仕訳例:
含み益発生時:
(借)有価証券評価差額金 100万/(貸)有価証券評価益 100万
含み損発生時:
(借)有価証券評価損 50万/(貸)有価証券評価差額金 50万
これらは「その他有価証券」「売買目的有価証券」で会計処理が異なるため、税理士・会計士との連携が必須。
相続税の時価評価
相続税申告では、相続財産の時価評価が課税の根拠。
(1)現金・預金:相続時残高
(2)不動産:路線価・倍率方式
(3)上場株式:相続時の終値・直近3ヶ月平均の安い方
(4)非上場株式:類似業種比準・純資産価額
(5)動産(骨董・着物・宝石):鑑定書または概算査定
動産の時価評価は税理士・専門業者と連携して根拠資料を残すことが重要。
事業者が時価評価を活用する場面
- M&A・事業売却:株式・事業価値の評価で交渉根拠
- 事業承継:相続税・贈与税の軽減策検討
- 棚卸資産評価減:相場下落時の節税
- みなし譲渡回避:法人成り時の時価基準取引
- 不動産売却:簿価との差を譲渡損益計算
- ファクタリング:売掛債権の時価評価
個人レベルの時価評価
個人でも時価評価の概念は重要:
(1)相続発生時の財産評価:税理士に依頼
(2)離婚時の財産分与:時価基準で公平な分配
(3)動産の売却益計算:取得費(簿価)と売却額の差
(4)生前贈与の評価:年110万円非課税枠での時価ベース
骨董品・着物・貴金属など動産の時価評価は、複数の概算査定を取って平均値で評価するのが現実的なアプローチ。
よくある質問(FAQ)
時価評価は誰が監修していますか?
本記事は税理士 増田 良之が監修しています。
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✏️ 編集部より
時価を確認するときは、評価日、対象の状態、採用した資料を明らかにしてください。会計や税務で使う評価は、買取見積もりと同じ扱いでよいか専門家に確認しましょう。
税理士 増田 良之
監修:税理士 増田 良之
