📋 この用語の要点
圧縮記帳は補助金・保険金・固定資産売却益等の臨時収入で取得した固定資産の取得価額を、収入分だけ減額する税務処理。当年の課税所得を抑制し、将来の減価償却で課税を繰延する効果がある。
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圧縮記帳とは
圧縮記帳(あっしゅくきちょう)とは、補助金・助成金・保険金・固定資産売却益などの臨時収入で固定資産を取得した場合に、その取得価額を収入額分だけ減額して帳簿計上する税務処理のこと。当年度の課税所得を圧縮し、将来の減価償却費を通じて課税を繰延する効果がある。法人税法42〜50条、所得税法42〜45条に規定。
圧縮記帳の対象になる収入
- 国庫補助金等:補助金・助成金(経産省・厚労省・自治体)
- 保険金:火災・地震・自動車事故等で受領した保険金
- 固定資産の交換差金:交換した資産の対価差額
- 収用換地等の補償金:土地収用・公共事業による補償金
- 特定資産の譲渡益:買換特例による譲渡益
圧縮記帳の計算例
例:500万円の国庫補助金を受け、補助金で1,000万円の機械装置を購入
通常処理:
・補助金収入500万円 → 益金算入
・機械装置1,000万円 → 5年定額償却で年200万円の減価償却費
結果:当年の課税所得+300万円(500万円−200万円)
圧縮記帳処理:
・補助金500万円を機械装置の取得価額から控除
・機械装置の帳簿価額:1,000万円−500万円=500万円
・5年定額償却で年100万円の減価償却費
結果:当年の課税所得は補助金分減少、将来5年間で課税を繰延
圧縮記帳のメリット
圧縮記帳のデメリット・注意点
- 将来の減価償却費が少なくなり、後年の課税所得は増加
- 固定資産の売却時、減額された取得価額ベースで譲渡益計算(売却時の課税が増える)
- 適用には会計処理・税務申告で別表添付が必要
- みなし譲渡・買換特例との関係を整理する必要あり
- 個人事業主は適用範囲が法人より制限される
圧縮記帳の会計処理方法
(1)直接減額方式:固定資産の取得価額そのものを減額
(2)積立金方式:固定資産の取得価額はそのままで、利益剰余金から「圧縮積立金」を計上
大企業では積立金方式が一般的(会計上の表示を維持しつつ、税務上の効果を享受)。中小企業では直接減額方式がシンプルで使いやすい。税理士に相談して会社の状況に合った方式を選ぶ。
事業者が圧縮記帳を活用する場面
(1)デジタル化・AI導入補助金などで対象の業務システムを導入:システムの取得価額を圧縮
(2)ものづくり補助金で機械装置を購入:機械の取得価額を圧縮
(3)火災保険金で建物を建て直し:建物の取得価額を圧縮
(4)事業承継・買換特例:旧資産の譲渡益を新資産取得価額から控除
各補助金・保険金の交付決定書・契約書を保管し、税務申告時に圧縮記帳の意思を明確にする必要がある。
圧縮記帳と現金化・買取の関係
固定資産(特に圧縮記帳済みの資産)を売却する際は、帳簿価額が低くなっているため譲渡益が大きく出る点に注意。
例:圧縮記帳済みの機械装置(簿価200万円)を売却額300万円で売却→譲渡益100万円
棚卸資産・遊休資産の買取でも、圧縮記帳の有無が損益計算に影響する。簿価と実際の市場価値(時価)の差を整理して、税理士と相談しながら売却タイミングを決めるのが理想。事業者がファクタリングや買取で資金繰りを改善する際にも、圧縮記帳済み資産の処分は税負担を考慮する必要がある。
よくある質問(FAQ)
圧縮記帳は誰が監修していますか?
本記事は税理士 増田 良之が監修しています。
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✏️ 編集部より
圧縮記帳を検討する場合は、補助金の種類と取得資産、適用条件、必要書類を税理士に確認してください。手元資金が増える制度と混同せず、その後の会計処理も確認しましょう。
税理士 増田 良之
監修:税理士 増田 良之
