📋 この用語の要点
棚卸資産は事業者が販売目的で保有する商品・製品・原材料・仕掛品。期末評価で簿価vs時価の差を判定し、評価減処理・売却処分・廃棄処分のいずれかを選ぶ。事業者の経営判断と税務処理の両方で重要な概念。
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棚卸資産とは
棚卸資産(たなおろししさん)とは、事業者が販売目的で保有する商品・製品・原材料・仕掛品・貯蔵品の総称。会計上は「貸借対照表」の流動資産に計上され、決算時点で実地棚卸(実際の在庫数を数える作業)を行って金額が確定する。簿価と時価の差で「評価損」「評価益」が発生し、損益計算書に影響する。
棚卸資産の主要分類
- 商品:仕入れた状態で販売する物(小売業・卸売業)
- 製品:自社で製造して販売する物(メーカー)
- 原材料:製造プロセスで使用する素材
- 仕掛品:製造途中の半完成品
- 貯蔵品:消耗品・包装資材・燃料等
棚卸資産の評価方法
税法上認められる評価方法は次のとおり:
1. 原価法:取得時の単価を基準(個別法・先入先出法・移動平均法・総平均法等)
2. 低価法:原価と時価のうち、いずれか低い方を採用
3. 売価還元法:販売価格から逆算(百貨店・小売チェーンで多い)
低価法を採用すると、相場下落時に評価損を計上して節税効果が出る。
棚卸資産の処分方針
- 正常販売:通常の商業ルートで売却(簿価=時価の場合)
- 値下げ販売:市場価格下落時の在庫処分(評価減を計上)
- 業者買取:買取相場業者にまとめて売却(在庫整理・閉店処分)
- 廃棄処分:販売不可・腐敗品・流行遅れの処分(廃棄損として全額損金算入)
- 寄付・引取り:自治体・NPO等への寄付(寄付金控除の余地)
事業者向け:在庫を業者買取に出すケース
閉店・事業縮小・モデルチェンジで大量の在庫が発生した場合、買取相場業者にまとめて売却する選択肢がある。
家電・PC・スマホ:1g単位の重量買取または機種別の動作確認買取
アパレル:シーズン落ち品をブランド古着業者が一括引取り
食品:販売期限切れは廃棄、未開封の長期保存可品は寄付ルート
骨董品・美術品:鑑定士付きの専門査定業者で個別査定
「箱買い」「トラック1台買い」の業者もあり、棚卸資産を一気に現金化できる。
税務上の処理
棚卸資産を業者買取に出した場合:
仕訳例(簿価100万円の在庫を60万円で売却)
(借)現金預金 60万/(借)棚卸資産売却損 40万/(貸)棚卸資産 100万
売却損は損金算入可能で、法人税・所得税の節税効果がある。
みなし譲渡との関係:低額で個人や関連法人に譲渡すると、時価との差額が役員賞与・寄付金として課税対象になることがあるため、第三者業者への売却が無難。
廃棄処分時の留意点
商品を廃棄する場合、廃棄損として全額損金算入できるが、税務調査で「本当に廃棄したか」を確認されることがある。
必要な証憑:
(1)廃棄処分業者の処分証明書(マニフェスト)
(2)廃棄前後の写真
(3)社内の廃棄稟議書
(4)棚卸表の差異記録
これらが揃っていないと、廃棄損が否認され課税対象になるリスクがある。
事業承継・廃業時の棚卸資産処理
事業承継で法人を譲渡する場合、棚卸資産も時価評価で取引する。簿価より時価が高ければ「含み益」となり、譲渡対価に上乗せされる。廃業時は在庫の処分が大きな課題で、専門の出張買取業者を活用するのが現実解。1ヶ月以上前から相談を始めると、まとめ買いの交渉余地が広がる。
よくある質問(FAQ)
棚卸資産は誰が監修していますか?
本記事は税理士 増田 良之が監修しています。
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✏️ 編集部より
在庫は品目、数量、状態を確認し、帳簿と現物の差を整理してください。売却・廃棄の記録を残し、評価や損益の処理を税理士に相談しましょう。
税理士 増田 良之
監修:税理士 増田 良之
